【恋愛・文芸】小説家・村上春樹の最も好きな作品No.1は、映画化されたあの名作……!
- 調査概要
・調査方法:インターネットによるアンケート
・調査対象:10〜70代の男女151人
・男女比率:男性36.4%、女性62.3%、その他1.3%
・調査期間:2022年4月1日〜4月3日
- 最も好きな村上春樹作品とは?
村上春樹作品を読んでいる方を対象に「最もおすすめしたい村上春樹さんの作品」を尋ねたところ、以下の5作品がランクインしました。
調査の結果、長編小説『ノルウェイの森』が圧倒的な支持(全体の約1/3)を集めました。続いて『1Q84』『海辺のカフカ』と代表的な作品が並びます。いずれも長編小説がランクインする結果となりました。
ここからは、アンケート回答者が上位3作品をおすすめする理由を見ていきたいと思います。
- アンケート支持1位『ノルウェイの森』のおすすめ理由
1位は、1987年に発表された長編小説『ノルウェイの森』。長きに渡り、日本の小説単行本の発行部数歴代1位となっていた名作です。2010年に映画化もされています。
『ノルウェイの森』と回答した人からは、以下の理由が挙げられました。
”物語全体が暗い感じではあるが人との関わりを考えさせてくれるところが好きです。人それぞれが事情を抱えていてその中でどのように生きていくのかを改めて考えさせてくれる作品です。読み終わった後にどこかやりきれない気持ちがあり、ノスタルジックな余韻が残ります。(20代女性)”
”恋愛と人間関係がかなりリアルに描かれており、恋愛関係に於ける正解や最適解を導き出すことの難しさや、青春時代の恋と愛についてとても深く考えさせられる文学作品なので、特におすすめをしています。こういうなんとも言えない淡く、かつ大胆な恋愛作品は村上作品の中でも特に際立っていると思います。(20代男性)”
”素晴らしい代表作品、大好きなボーイング747から物語がはじまるところからもう好き、年月がたっても忘れないで心の中にいる女性との思い出が美しく、たんたんとつづられているがわかりやすく描写が素敵すぎます。青春小説を思わせながら恋愛だけでなく、ひとりひとりそれぞれ登場人物のおもいに寄り添いながら読めて、奥が深い、意外にも生死を考えされた作品(40代女性)”
”高校生時代の主人公の友人が自殺したこと、その彼女も成長して精神的に参ってしまって療養生活を送ると苦悩やその彼女の死などなぜ人々は悲しみしんでいくのか、また、主人公は,なぜ、素直に思ったことを言えないのか若者の苦悩をうまく表現している作品だなと思います。若い時読むものと、子供など家族ができて読むのとでは、また、味わいが違って見える作品かなと思い好きです。(40代女性)”
- アンケート支持2位『1Q84』のおすすめ理由
2位には、2009年〜2010年にかけて3部作として発表された長編小説『1Q84』。BOOK1とBOOK2が「2009年年間ベストセラー」総合1位(トーハン発表)を獲得し、第63回「毎日出版文化賞 文学・芸術部門」を受賞するなど、広く評価されている作品です。
『1Q84』と回答した人からは、以下の理由が挙げられました。
”現実と過去か未来かわからない仮想空間が平行してつづられていて、読んでいて自分が今どこの空間を読んでいるのか時々迷子になってしまうような感覚になる。大きな事件があるわけでもないのに不思議な感覚にとらわれて、長編小説なのに読み始めると一気に村上ワールドに誘い込まれる感じがする。登場人物もどこか現実離れしているし、首都高から別世界にワープする感覚がとても謎めいていて面白かった。(50代女性)”
”幼い頃に離れた天吾と青豆、2人の主人公の話が交互に綴られていて、全く別のストーリーだと思っていましたが、読み進むにつれて、2人が全く別の境遇でも同じ所に導かれているのが、ページを先に先にと進ませる本です。(30代女性)”
”長い小説だが、読みやすくてストーリー展開も気になるのでどんどん読み進められる。別々に描かれるそれぞれの登場人物のストーリーが読み進めるうちにだんだんと交差してくるところも面白い。かなりな長編だが、最後まで飽きずに読める。(40代女性)”
- アンケート支持3位『海辺のカフカ』のおすすめ理由
3位には、2002年に発表された長編小説『海辺のカフカ』。海外でも高い評価を受け、演出家・蜷川幸雄さんによって舞台化もされている名作です。
『海辺のカフカ』と回答した人からは、以下の理由が挙げられました。
”宇宙人が絡んでいるのかと思わせるような不思議な設定でありながら、実在する国内の都市が舞台になっていたり、登場人物の人間関係などが妙に現実味があって、読む人間の潜在意識に訴えかけてくるような作品で、一度読めば記憶にしっかりと残る。(40代男性)”
”読み進めていくうちに話がどんどん繋がってきて、読み応えがあり好きな作品です。村上作品は独特で難解なイメージがあり、最初は敬遠していましたが、この作品は気がつくと物語に引き込まれていて、早いペースで読み終わりました。(20代男性)”
“現実味のある描写と非現実的な描写が絶妙に混じり合って、絶対に辿り着けない世界と人たちなのにどこか近くにいそうな、血の通った温度感のある登場人物がでてくる点。現実と非現実の狭間を行ったり来たりするような浮遊感と不思議な感覚になるところが好きです。(20代女性)”
- まとめ
さて、今回は村上春樹さんの作品に関するアンケート調査を行いました。
数多くの村上春樹さん作品の中で、最もおすすめしたい漫画として支持を集めたのは、長編小説『ノルウェイの森』でした。
村上春樹さんをまだ読んだことがない方は、ぜひ本アンケート調査を参考に、まずは『ノルウェイの森』から読んでみてはいかがでしょうか。
また長編小説を読むのが苦手という方は、短編小説集も数多く刊行されているので、そちらから読み始めてみるのも良いかも知れません。映画『ドライブ・マイ・カー』の原作小説も、短編集『女のいない男たち』に収録されている短編小説です。
ぜひ、これを機に村上春樹さんの世界に浸ってみて下さい。